[立禅乃会・鍼禅]はロコモ予防として「立つ・歩く」トレーニングを中国武術の気功法から取り入れ、内臓など五臓の調子は鍼灸で整えていくものです。

「立つ」「歩く」に重点を置いたトレーニングをする事で、日常生活が無理なく過ごせるように

▼Concept▼

【ロコモとは?】
運動器の障害のために立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態を 「ロコモティブシンドローム(ロコモ、または運動器症候群)」といいます。
 人間が立つ、歩く、作業するといった、広い意味での運動のために必要な身体の仕組み全体を運動器といいます。
 運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下した状態が、ロコモなのです。
 ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。 

要支援、要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障であることはあまり知られていません。

【ロコモと運動習慣】
運動器は、ふだんの生活で身体を動かして負荷をかけることで維持されます。そのため、ロコモを防ぐには、若い頃から適度に運動する習慣をつけ、運動器を大事に使い続けることが不可欠です。

 運動習慣は体力に大きな影響を及ぼします。スポーツ庁の調査によれば、どの年齢においても運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力テストの点数が高く、ほぼ毎日運動する50歳の人は運動習慣のない30歳の人より体力が高いことが分かります

【ロコモとフレイルの関係は?】
「フレイル」という言葉をご存知でしょうか。フレイルとは高齢者において生理的予備能が低下し、要介護の前段階に至った状態を意味します。フレイルが現れる要因には身体的、精神・心理的、社会的の3つの側面があり(一般社団法人 日本老年医学会)、このうち身体的フレイルがロコモと深く関係しています。
 ロコモはフレイルよりも人生の早い時期から現れます。ロコモが進行し、身体能力の低下が自覚症状を伴って顕著になったものが身体的フレイルです。
 移動機能の低下によって社会参加に支障をきたす「ロコモ度3」が、この身体的フレイルに相当する段階といえます。

【ロコモを進行させないための対策は?】
ロコモの要因は、運動器の病気、運動器の能力の衰え、運動器の痛みなどさまざま。これらの要因がつながったり、合わさったりすることでロコモになり、進行すると社会参加・生活活動が制限され、ついには要介護状態に至ってしまいます。ロコモと判定された場合、原因は何かを見極め、状態に合わせて適切に対処することが必要です。 

対処法には病気の予防、病気に対する薬物や手術による治療、運動器の力の衰えに対する筋力やバランス力のトレーニング、痛みや痺れに対する治療、栄養不足や栄養過多の改善などがあります。また生活習慣病の予防やその治療を合わせて行うことも必要です。 

ロコモは回復可能なのが最大の特徴。きちんと対処すれば、不安や不自由なく歩けるようになります。

【立つ、歩くという基本的な動作が大切】
健康診断を受けても、日常の診療の中で「運動をよくやりましょう」と言われることもあると思います。
 糖尿病や高血圧、動脈硬化の予防にも、骨粗鬆症の予防、ロコモ予防にも栄養や運動の必要性も聞き飽きたくらいに言い続けてられていることでしょう。

しかし「どんな運動をどのくらいやったらいいか」
→「歩くのがいいですよ」「少し汗をかくくらいに」などと言われるだけで、より具体的な指導に欠ける場合が多い

運動するのに、歩くのも良いし、ラジオ体操を繰り返すのも良いでしょう。

ただ、ここでは気功を融合させた健康法、運動法で体に無理を加えずに健康を増進させます。
老いも若きも取り組める素晴らしい方法だと思います。


【立つことと歩くことに重きをおいたトレーニング】
立つ、歩く、という基本的な人間の動作に焦点を当てており、中国武術の気功法をベースにしたトレーニングです。

「立つ」「歩く」というのは筋力も大事ですが、身体を支えるバランス力、姿勢の安定感が大切になってきます。
 スポーツにしろ、日常生活の仕事や家事にしろ、体の一部分を使って行うのではなく、頭、肩、腰、手足など、全身の協調作用を利して行っています。
姿勢バランス、協調動作を上げることが、その人それぞれのパフォーマンス向上に繋がります。

 私が行うトレーニングでは、その姿勢バランス・協調動作を磨くトレーニングを行っており、その方法は武術での身体使い方を利用して行います。
怪我後のリハビリ、高齢者の機能向上トレーニング、スポーツのパフォーマンス向上に役立つものだと信じております。

▼Schedule▼


  • PM/19:00~21:00

    上記時間外をご希望の方はお気軽にご相談ください。

    最新のご予約状況はブログまたはお電話でご確認いただけます。

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太氣拳創始者・澤井健一先生

「太氣拳」というのは、第二次世界大戦に向かって世界が暗転していた時代、
 澤井健一(剣道・居合道四段、柔道五段)が28歳の時、彼は中国に渡ってから幾人もの武術家と立ち合い、決して遅れをとることがありませんでした。
 にもかかわらず、65歳の老武術・王向斎(おうこうさい)に対しては、一本を取ることはおろか、組むことさえできずに完敗。
 自信を無くした澤井は弟子入りを決心します。中国大陸を占領下におこうとする日本軍の日本人が中国人に弟子入りすることなど、当時の常識からすれば大きく逸脱した行為。
 王向斎に何度も断られるが、一週間通い続けてやっと許しを得ます。
 しかし稽古内容は想像していたものとは違って、弟子入りしての稽古が「立つ」こと。つまり立禅でした。見た目にも立ってじっとしているだけで、他の兄弟子も立ち続けている。

「こんなことだけで本当に強くなるのか、と一年ぐらいは迷った。ただ王先生は、実際に強いし、頭を下げて弟子入りした以上、武士としてやめるわけにはいかない」と澤井は後に語っていました。
とにかく無心で稽古を続けました。
王先生との立ち合い稽古もこなし、修行を続ける中、日本の敗戦により修行は中断してしまう。

 澤井は日本人として、敗戦を知り、自刄を覚悟していた。しかし王向斎に諭され、「日本に無事に帰り、この拳法を伝えろ」と言われて創始したのが「太氣拳」です。
 私は、その澤井健一先生から学んだお弟子さんから、この拳法を学んで、今も続けています。

 立禅とは読んで字のごとく、立ってする禅で、大木を抱くような姿勢をとり、目を半分くらい開き(半眼)、遠くを見るでもなく、近くを見るでもないような感じで立ちます。 
 また、練習するとき手足をある程度曲げることで、全身の血液循環を促し内臓機能の働きを良くなります。

 最初のうちは、立っている間にいろいろなことを考えます。今日の仕事はどうだったとか、友達や家族のことなど、さまざまな雑念が頭を去来します。
 それが10分ぐらい立てるようになると、もっと直接的なことに意識が移ります。足が痛いとか、肩が凝るとか、腕が痺れるという感じです。それも通り越して慣れてくると、夢のなかにいるように、無意識に近い状態になっていきます。    
 この稽古を継続することで、精神は養われ、強い体力をつくり、慣れてくれば動きをつけて武術的な練習へと変化させていきます。

東洋医学の基本は未病治

❶健康なときに予防を考える
大きな病気をしないために萌芽を打つ、病気の芽生えをたたく。これが東洋医学の基本になります。
 病になってからの薬や鍼というのは、戦争でいうと戦争が起こってから戦争で使う武器をつくるということ。
 喉が渇いたから井戸を掘る、そんな発想と同じです。
 身体について自分をよく知って、それを診てもらえる先生にかかって予防をしないといけません。
 未病を治す、「未病治」が基本です。

❷人は自然の中に生まれ、自然とともに生きている
春、夏、秋、冬という四季があります。
 人間の身体にも四季があります。春には春に打つ脈があり、ギターの弦を弾いたときにビーンとするような脈を打ちます。弦脈といいます。
 夏には夏に打つ脈、あふれるような脈を打ち、洪脈といいます。
 人間の身体も春、夏、秋、冬と変化しており、むしろ変化しない身体は健康ではありません。
 我々は自然とともに生きており、自然から産まれてきたので地球を破壊すれば、人間の身体も異常を起こします。
 だから自然を侵すことは、自分を侵すことになり、天に向かって唾を吐くことになります。
さらには、自然に四季の移ろいがあるように、人にも心身の四季の移ろいがある。それは同時に、朝、昼、夕方、夜にも一日の四季があります。
 夜更かししてゲームは自然に沿った生き方ではないので、ダメですね。

❸健康には精神の安定が極めて大切
東洋医学には七情論という考え方があります。人間の心には七つの要素がある。
 喜び・怒り・憂い・悲しみ・思い・恐れ・驚き。
 この七つのバランスがよくとれていればいいですが、「怒りが多い」「あることを思うことが多い」「悲しいことが多い」などがあると、病気をします。
 例えば、びっくりしたときに腰を抜かしたということが起こりますが、東洋医学では「腎を傷る」といいます。
 また怒りは肝の臓に影響があると、憂い・悲しみは肺の臓を傷つける。思い考え過ぎると脾の臓を傷るといいます。
 これら七情の過不足、精神的ストレスが病気を発生させる、と東洋医学は説いています。

❹飽食と偏食に気をつける
東洋医学では五つの味、「五味」をバランスよく摂りなさいと説いています。
 「五味」というのは、陰陽のバランスをとれるようになっています。好き嫌いがないように‥
 さらに出来れば、その土地でできたものを食べるのが本当な良いです。
 土地に応じた植物・動物、本来なら奈良にいたら奈良でできたものを食べるべきです。
 そして四季の移ろいに応じて我々の身体は動きますが、食べ物もその通りになります。
 寒い頃にスイカを食べるのは良くない、季節にあらざるものはあまり食べない方がいい。
 イチゴも今は早くできますが、その季節になるとやっぱり美味しくなります。これは自然の陰陽の気にかなっているからです。

❺適度の運動は気血の巡りを良くする
漢の時代の名医・華佗は
「河の水は絶えず流れておれば腐ることはない。人も適度に運動すれば健康であり続ける」
 といい、五禽戯という気功のような運動を弟子に教えた。そうしたら弟子のほうが長生きしたという。
 運動といってウォーキングをする人も多いと思いますが、せかせか歩いてはいけません。歩くならゆっくりです。
 これは人間の身体にある気のエネルギー、経絡のなかを流れる気の巡りをよくするため。
 運動なら何でもいいのではなく、その人に応じた運動をすべきで、特にゆったりとやる運動がベストです。

❻いつでも「男」「女」を意識することが健康で長生きする秘訣
男は陽で、女は陰。
江戸時代の思想家、安藤昌益は、「男女」と書いて「ヒト」と読ませました。これは深い意味があります。
「ヒト」というのは男女だから「ヒト」なんだと。
 生まれてから死ぬまで「男」「女」であること、これが大事なんだと。
 この陰陽のスパークこそが、人間を健康にするんです。東洋医学はこのことをものすごく大事にします。
 異性を意識することは健康に大切なんです。おしゃれ、大事です。

❼ 快食、快眠、快便、快生理、快笑、快欲望
欲望はやはり、ないとダメですが、あり過ぎるのは良くない。
適度に欲望をもつことは人間を成長させるし、いきいきとさせます。

❽ 生きることを肯定して意欲をもつ
人というのはやはり、生きがいをもたないといけません。
よく仕事を辞めてガクッとなる方がいますね。
年をとったら何をやるかを考えておかねばならない。

❾ 感謝、ありがたいという思いは命の働きを活性化する
これは生きる上での基本ですね。

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